固いのでスルーするならスルーで

保険という金融商品は誰もが知っている通り、少しずつのお金を出しあっていざという時に備えるためのものである。

支払う保険金以上に保険料を貰わなければ保険会社は存在し得ない。
保険会社が貰うお金のことを収保と呼び支払うそこから保険金を支払う割合を損害率(ロス・レシオ)と呼ぶ。

損害保険会社が経営を成り立たせるためにはこの損害率を大体60%以下に押さえ込まなければならないわけだが、保険種目(自動車・火災・傷害etc…)ごとに損害率には大きな差がある。

注目すべきは自動車の損害率であり、これは全種目の総計として経営を成り立たせる60%という数字を上回っている。このことは言い換えれば自動車だけでは経営が成り立たないということだ。

火災、傷害など自動車以外の種目はこれとは逆で10%やそこらの損害率である。100万円の保険料を集めても10万円の保険しか払わないで済むということだ。
一見理不尽かもしれないが自動車が儲からない商品である以上は他の「ドル箱」で稼いで補填するより他にしょうがないのが現実である。

ここで頭のいい経営者は考える。
「もし自動車を売らなければどうなるのか?」と。
火災単品で商売をすれば損害率は10%やそこらになるのだからこのアイデア決して無茶苦茶ではない。
10%では儲けすぎなので少し保険料を下げてみればどうなるか?
自動車保険を売る会社よりはるかに安い保険料で済むのだから客の方が放っておかないだろう。むしろ経済というゲームの中では当然あってしかるべき判断であろう。

現実に火災保険は法人向けの大口商品を中心に安くなる傾向にある。
どこの会社とは言わないが某大手自動車会社の子分でやたらと自動車の割合の高い会社(I社)などは他社の顧客を強奪するために保険料を相当下げている。
当然同業他社も自分達の縄張りを守るためには保険料を下げて対抗せざるを得ない。
必然的に収保は下がって損害率は上がるわけだ。

このような戦略ゲームを繰り返した先には何があるのか?

結論は、全種目の損害率が均一化していき、火災保険や傷害保険が割安になる一方で、
自動車が割高となり無保険車が増加する。

補足:無保険車に轢かれた時のための特約は将来不可欠になりますよ(笑)
さて、プリントアウトするか・・・。パソコンからデータとか引っ張ってくるだけでも面倒だよ・・・w